リーマンショック時の円高変動ペア比較
リーマンショック前後の数ケ月間における、各通貨ペアの円高による最大下落率=最大損失率(%)を整理してみました。 (自分で読み取って作成した図です。日中の変動は考慮せず、日足の終値。データは前回のこちら→ペアの円高変動(リーマンショック時の下落比較 ) 前回はベタ打ちでわかりにくかったので、図にして再掲しました。)
リーマンショック前の2008年7月の日足高値から、ショック後の2009年3月までの安値のクロス円の下落率は以下でした。
下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。
同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、円高リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
(クロス円で無い場合の急激な円高リスク優位性は明らかですが、この場合に怖いのは、売り通貨のゆっくりとした上昇です。最近のスイスフラン高のような。)
スワップ派の殿堂はこちらへどうぞ
にほんブログ村
FXブログランキングはこちらへどうぞ
リーマンショック前の2008年7月の日足高値から、ショック後の2009年3月までの安値のクロス円の下落率は以下でした。
下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。
同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、円高リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
(クロス円で無い場合の急激な円高リスク優位性は明らかですが、この場合に怖いのは、売り通貨のゆっくりとした上昇です。最近のスイスフラン高のような。)
スワップ派の殿堂はこちらへどうぞ
にほんブログ村
FXブログランキングはこちらへどうぞ
- 関連記事
-
- 円高リスクヘッジの検証 (2011/04/13)
- ペアによる円高リスクヘッジ (2011/05/01)
- ペアの円高変動(リーマンショック時の下落比較 ) (2011/05/10)
- リーマンショック時の円高変動ペア比較 (2011/08/06)
スポンサーサイト
テーマ : FX(外国為替証拠金取引)
ジャンル : 株式・投資・マネー
tag : 円高リスクヘッジ
コメントの投稿
No title
高金利通貨がリーマンクラスで半値になるとしたらトルコは22円になるという計算ですね^^;
そこまでは下がらないと思いますがどうなるのでしょうか?
そこまでは下がらないと思いますがどうなるのでしょうか?
No title
半値・・・震えがきますw
No title
WIN様、
投資が蓄積されてないので、今はあまり下がらないと思ってますけど。
投資が蓄積されてないので、今はあまり下がらないと思ってますけど。
No title
ひまママ様、
今はスイスフラン高が何処まで行くのかが怖いです。
日本が原発などで落っこちて、唯一の避難通貨になりそうなーーー。
今はスイスフラン高が何処まで行くのかが怖いです。
日本が原発などで落っこちて、唯一の避難通貨になりそうなーーー。
No title
いまリーマン級の嵐がきたら、
私の口座はまちがいなく吹っ飛んでしまいます。
私の口座はまちがいなく吹っ飛んでしまいます。
No title
うっさん様、
私も飛んでしまいます。
チト甘かったです。
反省はしてますが、後の祭りーーー
私も飛んでしまいます。
チト甘かったです。
反省はしてますが、後の祭りーーー